柄合わせ

生地に柄合わせが必要な場合はパタンナーが指定します。
布帛の場合は柄を見て、一方裁ち(差込不可)差込裁断可か決めますが
ニット生地の場合は編み目があるので普通は一方裁ちのみとなります。

一方裁ち・・・型紙の天地(上下)を揃えて生地に並べる。
差込裁断・・・型紙の天地が逆になっているものが混ざる並べ方。



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*差込裁断可*

こんな柄のときは特に気にしなくても大丈夫でしょう。

ただし、右側のような柄でも大柄の時は気にしたほうがいい場合もあります。
(遠目から見たときに、斜めのストライプ状に見えるものがあるから)

生地は必ず広げて、全体の柄の流れを見るようにします。


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*差込裁断不可・一方裁ち*

こんな柄のときは柄に「天地(上下)」があるので一方裁ちします。
花や果物など普段から見慣れているものは、その通りに天地を考えます。


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*ブーケ柄など*

これはわかりやすいように一つだけ大きめのブーケ柄にしてありますが
実際の生地の場合、もっと色んな種類のブーケが混ざることが多いです。

少し離れて見て、目立つ柄が無いかよく確認しましょう。
上のような場合はもちろん一方裁ちにします。
全体的には差込可の柄なので、目立つ柄の見た目の安定感で生地の天地を決めます。

これくらいハッキリと目立つ柄がある時は、柄合わせを気にしたほうがいいでしょう。

もしこのように目立つ柄が上になっているのと、逆さまになったのが混ざっている時。
これは生地柄の天地を無視できるので、差し込み裁断可となります。



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*柄ピッチの見分け方*

例えばこんな柄。一瞬、柄合わせ不要に見えますが生地柄に天地があります。

下地の柄だけを抜き出したものが次のイラストです。

ひとつ柄を決めて、横方向へ同じ柄を探します。同じく縦方向へも柄を探します。
これが柄の1ピッチとなります。

イラストはわかりやすいように柄を少なくしてありますが
実際にはもっと柄が混み合っていることが多いので
地の目を見て、糸を追うようにして同じ柄を探していきます。


更に、このイラストを少し離れて見てください。
右上から左下への斜めのストライプ状に柄が並んでいるのに気づきましたか?

これを気にするか気にしないかは人によって違ってきます。
気になる場合は柄合わせを考えて裁断したほうが、着ていて精神的に気持ちがいいです。
気にならない場合は柄合わせは無視して、生地柄の天地のみ指定します。



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*型紙のどこで柄(横方向)を合わせるか*

普通は一番目立つ、正面のバスト付近を基準で考える柄合わせが多いと思います。
以下に書いてある方法は、型紙でのバランスがすでに整っている前提での話となります。


+++合せ方 その1+++
身幅が極端に広くない型紙で、袖山のいせが無い(あっても少し)または
袖山にギャザーが入ってない時は、袖巾線と身幅線で柄を合わせると程よい感じになる場合が多いです。
ただし、袖が極端に前に振れているものやデザインによってはできない場合もあります。



+++合せ方 その2+++
1の方法で柄が合わないときはこのような考え方もあります。

オレンジ色の線・・・合印が一箇所の場合の基準。この位置あたりがベスト。
水色の線・・・・・・・・合印が二箇所入っている場合の基準。この位置だと少しずれることがあります。

1.袖と前身頃は袖の合印の位置で横段の柄を合わせる。
2.1)の時に袖山の後ろ袖側の合印に来る柄を確認。
3.2)で確認した柄の横段を後身頃の袖ぐり合印で合わせる。

型紙によってはこの方法でも柄が合わないことがあります。
袖は前に振ってあるので、前身頃と袖の柄を合わせると
後身頃は水平に前身頃と同じ位置にするのは難しいため。
「いせ」や「ギャザー」の分量によってもかなり位置が変わってきます。
その時は仮縫いをして、柄を合わせるのが一番確実になります。
柄合わせ用の型紙を作ることもあるほどなので
型紙の特徴をよく掴むことが大切になってきます。



「前に振ってある袖」とは。。。
袖口側が少し前身頃側にある状態で、真横から見るとほんの少し斜めになっている袖。
普通は1センチほど前に振った状態で型紙を作るのですが
スーツの場合などはもっと前に振ってあることがあります。
下の【図2】が前に振ってある袖になります。右袖を横から見ている図になっています。

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