平面製図を独学する入り口

自分が作りたい洋服を平面製図で作れるようになりたい

『立体裁断までは・・・。でも、好きな形の型紙をひけるようになりたい』

私にこのような質問をされる方というのは、他のページも隅々まで読んだうえですから、
最初の「心構え」の話しは不要ですが、念のためそこから始めます。


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最初に書いておきますが「好みの形で、完成されたきれいな形を作る」というのは、
立体裁断、平面製図問わず簡単なことではありません。
簡単にできたら誰でもパタンナーになれますし、アパレルメーカーからパタンナーという職業がなくなるでしょう。

「平面製図だから簡単」という感覚は捨ててください。

それでもきちんとひとつひとつの型紙と向き合っていけば、自分が作りたい形を作れるようになっていきます。
私も生まれた時から型紙が作れたわけではありません。
アパレルでのパタンナー経験もありますが、ひとつひとつの積み重ねで現在があります。
私の母は洋裁学校を出ていますが、昔の「花嫁修業的時代」の学校です。
そんなに詳しいことは学んでいません。それでも作りたい服を作ることができます。


『平面製図で手軽に好きなデザインを作れるように』とは言っても、
ある程度きちんとした知識がないと、作りたいものが出来上がりません。
プロのパタンナーが目標ではなくても、きちんとした教材を使うことをお勧めします。

学んだ後に、趣味にするかプロの道を歩むかは、その先の話しです。
私の型紙をお買い上げになった方からよく言われるのが「プロの仕事(型紙)ですね」です。
趣味の型紙とプロの型紙は違いますが、学ぶ道のりは同じなのです。



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【step1:原型を作れるようになる】
色々な作図をしていくための原型を最初に作りますが『文化式』か『ドレメ式』が勉強しやすいです。
専門書がたくさん出ているのと、型紙ブックでもよく登場する原型だからです。

文化式とドレメ式では出来上がる原型の形が違います。
どちらが良いとか悪いというのはなく、それぞれの個性だと捉えましょう。
どちらかの原型が作れれば、もう片方の原型も作れるようになっているはずですから、
そんなに神経質に決めなくても大丈夫です。
どんな原型でも自由に作れるレベルになっていれば、平面製図の基礎ができていることでもあります。

と言われても迷うものですから、型紙ブックなどを見て「こんな服が作りたい」というのを決めて、
どちらの原型を使っているか?という風に決める方法もあります。
目的が決まっていると原型を作るのも楽しくなるものです。

また、型紙ブックで登場するものは文化式が多いように感じますが、
こだわって原型を作りたい人は、両方の原型を作って比べてみると良いです。
ひとことで原型と言っても違うものが出来上がりますから、好みのシルエットを原型にするといいですよ。


文化式原型とドレメ式原型の両方の解説が載っている本
洋裁百科 (レディブティックシリーズno.3470)
線を引く順番を図解でひとつひとつ解説されいます。
(お勧め理由は次ぎのページ「独学で学ぶ実践編」にあります)


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【step2:学んでいく順番】

作りたい洋服の製図をしてみましょう。なのですが、ちょっと待ってくださいね。
いきなりコートの製図は難しいです。

最初に作った原型に近い形(原型をあまりいじらないで作れる服)というのが易しいです。
つまり「ブラウス」や「タイトスカート」になります。

面白くないかもしれません。でも、最低限のゆるみを知るステップです。
ブラウスのゆるみ分を知らないと、その上に羽織るジャケットのゆるみ分がわかりません。
更にその上のコートにはもっとゆるみが必要です。
ゆるみ分だけではなく、袖ぐりも上に着る服のほうが大きくないと着られません。
そういったことを学ぶステップですので、ひとつひとつ順番に学んでいくのが大切なのです。

「原型に入っているダーツをギャザーに変更する」それだけでも最初は大変な作業です。
でも、原型のアレンジでしかありませんから、型紙としては簡単なものになります。

ブラウスを作る場合でも、ラウンドネック(丸衿)と衿付きでは作業が違います。
気に入った身頃をひとつ作り、衿のバリエーションを作っていくだけでも、色々なブラウスが作ることができます。
原型の延長なんてつまんない!とは思わずに、生地を替えて楽しみながら作りましょう。



続きは・・・【平面製図を実践で学ぶ】


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