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パタンナーになりたい

パタンナーになりたい人から寄せられる相談の中から。

 パタンナーへの道

1.見たこと、やったことが無いデザイン画のときはどうする?
2.縫い子さんになるわけではないのに、なぜ縫製技術や知識を持つ必要があるの?
3.実務経験の無い新卒と経験者の型紙作りは何がそんなに違うのか?
4.パタンナーになるために実務経験を積むべきか?学校へ行くべきか? new!



以下は、わたしの経験から少しだけお話しを。参考にしてみてください。

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*パタンナーになる近道があるとしたら*


パターンコースがある専門学校を最低3年間行くことをわたしはお勧めします。
普通、専門学校だったら2年と考える人が多いと思いますが、3年です。
学費がその分掛かるので躊躇する人が多いですが、次のような理由があります。


現実問題として、アパレル業界でパタンナーをしている人のほとんどが3年卒以上。
もちろん4大卒だったり、短大プラス専科2年卒という人もいます。
とにかく最低3年は勉強したほうがいいということで、最短なのが専門3年卒になります。

専門2年卒になると、ぐっとパタンナー人口が減ります。
短大卒になると、奇跡、ラッキーと言われるほどで、珍しい存在になります。
学校に届く求人票を見れば一目瞭然。3年以上卒としっかり書かれているのが多く
もし2年卒可になっていても悲しいかな、書類選考で落とされることが多いのです。


専門学校で3年コースがあるような学校は、パタンナーコースがきちんとあります。
そういう学校は実際にパタンナーとして就職している卒業生も多いという実績もあります。

それでも、専門3年卒だからと言って絶対確実になれるという保障はありませんが
書類選考だけで落とされるなんて狭き門で苦しむよりも
就職先も選べて選択肢がある3年卒のほうが、パタンナーになれる可能性がずっと高いです。


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*学校ってどこも同じ?*


実技が多い学校が良いのは当然ですが
できれば現役のパタンナーが講師をしている学校のほうがいいと思います。
即戦力になるということで就職率も高いからです。
そう言った意味で絞り込みをすると、東京や大阪などの都市部の学校になってきます。

昔は文化系が強いと言われていたけど、最近は他の名前もよく聞きます。
エスモードやバンタン。どちらも現役講師がいる学校。
だからと言って、これ以外の学校はダメというわけではありません。
学校の方針や講師などによっても変化するものですから。

他には校風が自分に合うか?もチェックしたほうがいいでしょう。
学校によってかなり校風が違い、集まってくる生徒も違います。
文化祭や学校説明会へ実際に行ってみて肌で感じてみましょう。


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*2年卒はパタンナーになれないの?*


全くパタンナーになれないわけではありませんが、狭き門である覚悟は必要だと思います。
昔は人材を育てる意識がある会社も多かったですが、今の時代は会社も厳しいので
新卒でも即戦力になる人材を求めています。

上にも書きましたが、2年卒用の求人票にはパタンナーというのが少ないのが現実です。
短大よりは専門学校のほうが少し多いですが微々たる差です。
3年卒以上の求人と比べたらその差は比べものになりません。

パタンナーになるは実技試験がある会社がほとんどです。その実技を見て
2年卒を採用するのならば3年卒を。。。になるのが現実なのかと考えられます。

3年卒に負けないくらいの技術を磨き、自力で会社を開拓するくらいの意気込みを持ち
熱意をどれだけ相手に伝えられるかが最後のカギとなると思います。


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*専門学校へは行かずに、独学だけではなれないの?*


「なれない」とは言いませんが、かなり難しいと思います。
型紙作成の腕があったとしても、書類審査で落とされるのが目に見えているので。

学校へ通っていると、自分の型紙作りのレベルは周りの人と比べればわかりますが
自分が良しとする型紙と、他人が見て良しとする型紙は別の話。
独学となると自分がどのレベルに達しているかを客観的に見られる必要があります。

バイタリティを持って、学歴不問、更に未経験可の会社を根気良く探すしかないですが
現実としてはそういう求人はほとんど無いです。
大会で受賞するなど書類上で自己ピーアールできるものが必要かと思います。


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*パタンナーになった後の話*


学校で学ぶことはあくまでも基礎です。
実際にアパレルメーカーに勤めると、目からうろこのようなことがいっぱいありますし
務めた会社独自のやり方がある場合が多いです。

最初は簡単なデザインから担当します。
つまらないかもしれませんが、会社としての仕事の流れを知るための期間です。
そして少しずつ色んなデザインの型紙を担当するようになっていきます。
そうなってくるとパタンナーの仕事は楽しいと感じるはずです。

ずっと学ぶ姿勢を忘れないでいられる人は、長くパタンナーを続けていることが多いです。
これを読んでいるあなたもそんなパタンナーになって欲しいと思います。


辞める理由は結婚もあるけど、体調を崩して、人間関係、希望の仕事をさせてもらえないなどがあります。
残業が多い業界なので、辞めるほどではなくても体調を崩す人が多いですし
忙し過ぎて振り回されている感覚に悩んでしまう人もいます。
健康管理をしっかりして、自分を見失わないように頑張ってくださいね。


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*どんな人がパタンナーに向いている?*


わたしの周りにいるパタンナーを見ると色んな性格の人がいます。
型紙はミリ以下の世界にこだわるけど、大雑把な感じの人もいるし
もちろんキチンキチンとした性格の人もいます。
ですから、こんな性格だと合わないというのは無いと思います。

肝心なのは「型紙を作ることが好き」なのは当然だけど、「洋服が大好きなこと」これが一番でしょう。
デザイナーほど脚光を浴びないので、地道でも構わないと思える人も要素アリかもです。

最終的には、ずっと新しいこと(素材・デザイン・技術など)に興味を持ち続け
勉強する姿勢を忘れないでいられる人が結果として、パタンナーに向いていたとなることで
パタンナーになる前にはそんなに気にしなくていいと思いますよ。


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*アパレルメーカーも色々*


少し酷な話もしておきます。

アパレルメーカーはたくさんあります。
実際に務めている人の話を入社前に聞けない場合、実際に勤めてみないと実態はわかりません。
その人の技量や得意不得意を踏まえて、仕事をレベルアップしてくれる会社はいい会社ですが
次のレベルにチャレンジできるまで成長しているのに
いつまで経ってもレベルアップさせてもらえない会社もあります。


どういうことか例をあげると
「もっと色んなデザインもあるのに、原型に近いデザインの型紙しかやらせてもらえない」
これはまだいいほうです。

「ずっとアシスタント(見習い)扱いでパターンカットしかさせてもらえない」
「型紙を触らせてもらえない」
つまり、パタンナーで入社したのに「型紙作りをさせてもらえない」というケース。

パターンカットはパタンナーの仕事とは言え、何年もそれしかさせてもらえないというのは
本意であるはずがありませんよね?
そういった会社が全体のどれだけを占めるのかはわかりませんが、実際にあります。


申し出をすることにより認められたり、上司が変わることにより改善される場合もありますが
売れることだけに情熱を燃やしている会社だと、量産出しに追われて型紙を作る時間が無く
仕舞いには、それがその会社のやり方だと押し通される場合もあります。

残念ながらこれは会社の規模や知名度に必ずしも比例するものではありません。
よく雑誌で紹介されているようなブランドでもそういうことがあるのです。

そんな時は早めに見切りをつけて会社を移ったほうが賢明です。




これを読んだあなたが思う存分パタンナーとして活躍できますように。

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