立体裁断(ドレーピング)について・・・FAQ集

2. ピン打ちを上手にするコツ

ピンの打ち方(刺し方)にはいくつかの約束事があり、この約束事を守って数をこなせば上手になります。

基本的なピンの打ち方には写真のように2種類ありお勧めは左側の斜めに刺す方法
斜め刺しが一番誤差が出ないからです。
(わたしがドレーピングルームで組んでいるトワルは斜め刺ししています。)

わたしは右利きなので「逆ノの字」に刺しますが、左利きの人が刺すときは「ノの字」になります。
ただし場所によっては水平に刺したり、右利きでもノの字に刺すことがあります。理由は後ほど。


この写真を観察すると他にもわかることがあります。
シルクピンの先のほうしか刺してません。
もうひとつは、上の生地の折り山ギリギリから刺し始めていること。
どちらも生地の厚みによる誤を防ぐためです。

もっとよく写真を観察すると、まっすぐに刺している右側は
上の生地の折り山がピンの場所で少し凹んでいるのがわかりますか?
このときに誤差が出やすいので注意しましょう。
そういう意味でも斜め刺しがお勧めでもあります。

写真では見えませんが、下の生地はほんの少ししかすくっていません。
たくさん生地をすくえばすくうほど誤差が生じます。


<斜め刺しが適している場所>
脇、袖下、肩線。袖付け線の一部。パネルラインなど。
ただし脇は針先が下向きになるように斜め刺し。または垂直刺しにします。
これはトワルを着用するときに人間に刺さらないようにするためです。


<垂直刺しが適している場所>
裾、肩線(トワルのネックポイントがボディのギリギリにある場合は斜めに刺せないため)。
デザインによっては脇。ちなみに裾は上から下に向かって刺します。


<その他の刺し方をする場所>
袖付け線のピン打ちが一番複雑で色々な刺し方が混在します。
ピンの刺し方別に色分けしてみました。

青い部分
袖山と肩の交差部分は平行刺し限定。
表側から袖付け線に対し平行刺し、もしくは斜め刺し。

緑色の部分
表側から斜め刺し。デザインによっては平行刺し。

赤い部分
裏側で平行刺し。


数字はピンを刺す順番の目安です。
この順番が絶対ではないですが参考に。

<平行刺しとは>
線上を線に沿ってピンを刺すことです。
袖山の上の部分は斜め刺しにすると、袖付け線から袖が脱落することがあるため平行刺します。
袖山の頂上から下がっていくにつれて、斜め刺しのほうが袖山がつぶれなくなくなります。
キレイに正確に刺せるほうで構いません。

袖のピン打ちは
最初に袖ぐりの下の部分から。

:::袖ぐり下部分:::
袖の内側から袖付け線上にピンを刺す。
袖を付け終わると表からはピンが
見えない状態になります。

袖が細い場合は袖下の一本だけ内側から刺し
残りは表から刺す場合もあります。
:::袖山部分:::
次に袖山と肩の交差点を刺す。
袖付け線ぎりぎりにピンを刺します。
針先が表に出る。
:::中間部分:::
斜め刺しの針先は裏側へ通し
表には出てきません。
ただし、人間が実際に着るときは危険なので
平行刺しか「縫い」に変更します。

セットインスリーブの時は
斜め刺しのほうがキレイに袖が付きますが
シャツスリーブのときは平行刺でもO.K。


<ピンを刺し込む角度>
生地を重ねて印と印にピンを打つときというのは、垂直にピンを刺すと正確にできますが
トワル組ではこのような刺し方はしません。

ピンを刺し込む角度は少なく。つまりピンを寝かした状態で刺します。
これは生地の厚みによる誤差を無くすためです。トワル組みならではの刺し方なので覚えておきましょう。



*「平行刺し」「斜め刺し」「垂直刺し」というのは私が説明上で作った造語であり、ドレーピング用語ではありません。


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